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堀田先生インタビュー  Vol.8

初等・中等教育と高等教育ってありますよね。
義務教育かそうでないかが一般的なくくり方になってくるかと
思いますが、初等・中等教育(義務教育での)の教え方と、
上のクラス究極的には大学になりますが、いずれも実物投影機が
使われていたり、教室に備わっていたりするのですが、高等教育
と対極に見た場合に、教育における書画カメラ(実物投影機)の
位置付けの違いというのはありますか?

大学と小学校の両方で教えたことがありますが、大学というのは、
教える対象が基本的に大人であり、言語を知っていて、言語を
知っている大人に言語で教えるのです。
実物投影機を使うのは、ここにこうやって書いてある。
とかを示し、言葉で説明して図でわからせる。
知識の伝達の時に効率よく伝えるようにする。

小学校は、基本的に例えば、長さを測ってみるみたいなことを
初めてする訳ですよね。
1cmの中に1mmがある。
ひらがながやっと書けるような子どもにmmを書くことは、
大変なことです。
でも、子どもたちがmmと書けることが大事であり、
定規で測れるようになることが大事なのです。
自分で何かが書けるとか、できるとか、読めるとか、測れるといった
ことできることが大事なわけですよ。
大学では、そう言うことができるようになった人に知識を入れる。

小学校は、人間として必要な基礎的な技能を、どうやって身に付けさせる
ことができるかといった話です。基本的にはOJTなのです。
情報を与えてやらせながら、「違う、違う、こうだよ。」
「こうやって、やってみよう。」
「はい、皆もやってみよう。友達と比べてみよう。」というのが多いですね。
実物投影機の使い方は、やり方を示すという使い方をします。

例えば、「玉結びは、こう置いてこうやるんだよ。」と見せる。
大事なことは、玉結びという知識よりも、玉結びができるということなのです。
定規でいうと、ここに左側をそろえてあてる。
「1、2で2cmでしょ。」「ちょっと長いよね。2cm2mmだね。」みたいに。

その後、彼らが自分でそれができるようになる。
そういうことが全部できるようになった人が大学に行くのです。
そして知識を増やしていくのですね。
知識の入る為の基本的な機能を作っているというのが小学校なのです。
だから、実物投影機の使い方はやり方を示すと言うのがとても強くて、
大学では、やり方を示すという使い方はほとんどしない。
小中学校ならではの使い方ですね。

ベースとなる基本的な概念を見える形で理解させるということですね。

それが非常に大切ですね。

大学生には、例えば、ある一つの概念を数式で表します。
というふうですが、小学生の場合はレベルによっても違いますが、
図形になっていればなんとなくわかる。
直線と言ったら、直線を引いてこれが直線なんだよ。
と示すということですよね。

もう少し言うと、直線の概念だけでなく、直線を引くということも、
定規を押さえていないと曲がっちゃうよ。
ということも教えなくてはいけないですよ。
みんな大人になると当たり前にできていることも、
よく考えてみると誰かが教えてくれたわけでしょ。
定規で線を引くことも、定規で測ることもね。

人間は成長していくうちに、まるで一人で大人になったかのように、
誰かに生きていくのに必要な基本的なことを教えてもらったことを
忘れていくんですよ。

小学校の教師の悲しいところは、自分で色々なことを教えたけれど、
子どもたちはそのことを忘れていくってことなのですよ。
定規の測り方は、あの先生に教えてもらった。
と言うことは、忘れていくのです。
いつしか、測れるようになって、それが当然のようにしているけれど、
教えてくれた人がいることを、あまりに基本的過ぎて忘れてしまうのですよ。

そういった基本的なことを子どもたちに確実にできるようにしてあげないと、
彼らは、何もできなくなってしまいます。
箸も使えない、消しゴムで上手く消せない人になっちゃうでしょう。
しかも、今は家庭での教育が落ちているから…。

そういうときに、見せればさせられる。
そしたら、子どもたちにもできますよ。
だからこそ実物投影機は小学校での大事な道具なのですよ。

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